【Linux】ディストリビューション5選:初心者向け簡単解説
ディストリビューションとして配布されているLinuxはサーバを運用するにあたって現在では欠かす事のできないものとなっています。
様々なディストリビューションがありますが初心者にはどれを選べば良いか分からないと思います。
今回はまず初心者が名前と特長だけでも知っておいた方が良い主要ディストリビューションを5つご紹介したいと思います。
更新履歴
- 2021/03/28 Ubuntu公式サイトへのリンクを修正
- 2021/03/27 Debian公式サイトへのリンクを修正
ディストリビューションとは
LinuxはLinuxじゃないの?と混乱する初心者もいると思います。
そもそもディストリビューションとは何なのか初心者には分かりづらいと思いますので簡単に説明したいと思います。
ディストリビューション(Distribution)とは「配分、配給、散布、分配、流通」などのような意味を持った英語です。
ディストリビューターと呼ばれるところがカーネルやフリーソフトウェアといったオープンソースをコンパイルしたりパッケージ化します。
ディストリビューターによって一般の利用者がLinuxをインストールして利用できる形にまとめられた物をディストリビューションと呼んでいます。
各ディストリビューターによってディストリビューションはカスタマイズされていますので、パッケージの種類やディレクトリ構成、運用系のコマンドなどに細かな違いがあります。
ディストリビューションには大きく分けて「RedHat系」「Debian系」「Slackware系」と3つあります。
まずは初心者として「RedHat系」と「Debian」系の代表的なディストリビューションを知っておくと良いと思いますので、次から紹介していきます。
RedHat系ディストリビューション
RedHat社によってまとめられた商用ディストリビューションから派生したディストリビューション群です。
パッケージ管理システムにはRPMを採用しており、近年ではyumのおかげでネットワーク上でのパッケージ管理がやり易くなっています。
RedHat系のディストリビューションを採用している企業も多いですので、仕事上ではおさえておきたいディストリビューション系列です。
Fedora
もともと商用や個人用としてRedHat社が開発していた「Red Hat Linux」というディストリビューションの後継で、バージョン6までFedora Coreと呼ばれていました。
Fedoraは最新の技術を積極的に反映させていくディストリビューションとして知られています。
Fedoraは言わばRed Hat Enterprise Linux (RHEL)の実験的な位置づけのようなディストリビューションになっており、Fedoraの成果はRHELに取り込まれます。
企業が使用するには怖い部分がありますので、メインでFedoraを使用しているところは少ないですが、実験目的で使用するには面白いディストリビューションだと思います。
Red Hat Enterprise Linux (RHEL)
商用ディストリビューションとして有名であり、多くの企業が採用していますので仕事をする上で触れる機会が多いと思います。
Fedoraでテストされた技術や機能を取り込んで安定稼働させることを目的としたディストリビューションであり、セキュリティアップデートやサポートもありますので業務用としてよく利用されます。
個人で色々と実験するには向かないディストリビューションですが、RedHat系のディストリビューションの基本として知っておくのが良いと思います。
このRHELはオープンソースとしてFTP上にソースを公開されていますので、無償で利用できるCentOSなど派生のディストリビューションもいくつか存在します。
→ Red Hat Enterprise Linux 公式ページへ
CentOS
CentOSはRHELから派生したLinuxディストリビューションのひとつで、機能的な互換性を保つことを目指しており、一般的にRHELクローンと呼ばれることが多いLinuxディストリビューションのひとつです。
RedHatがオープンソースライセンスに基づき公開しているRHELのソースから、商標や商用パッケージを除外してリビルドしたディストリビューションです。
自分たちで管理するサーバー系の技術者がいる企業では比較的このCentOSを使用しているところも多いです。
無償にも関わらずサポート期間が長く安定性も高いことが特徴のディストリビューションですので、年々色々な場所で採用するところが増えていっています。
初心者がまず選択して勉強するのにおすすめのディストリビューションのひとつだと思います。
Debian系ディストリビューション
GNUプロジェクト精神の尊重や100%フリーであることを理念に開発されているDebianから派生したディストリビューション群です。
かなり古くからaptによるネットワークを介したDeb形式のパッケージ管理システムを採用しており、昔からメンテナンスが容易であるのが特徴です。
古くからサーバ管理に携わっている企業や技術者に人気があり、サーバ系の仕事をする上で押さえておきたいディストリビューション系列です。
Debian
GNUプロジェクトの精神を尊重して100%フリーを理念に掲げているコミュニティベースとなるDebian系列の派生元ととなるディストリビューションです。
古くからaptによるDeb形式のパッケージ管理システムを採用しておりメンテナンスが容易であることが特徴となっています。
他のディストリビューションに比べて対応するアーキテクチャも多く、色々な面でユーザフレンドリーなシステムとなっています。
古くから人気のあるディストリビューションのひとつであり、特にメンテナンスが容易な点や100%フリーなこともありサーバ管理者に人気があります。
初心者でありサーバ系のお仕事を考えているならおさえておきたいディストリビューションのひとつです。
Ubuntu
UbuntuはDebianから派生しただけあってユーザフレンドリーな商用サポートもあるディストリビューションです。
ディストリビューションの開発目標は「誰にでも使いやすい最新かつ安定したOS」となっており、デスクトップOSとして採用されることが多いです。
比較的最新の機能がいち早く取り込まれるにも関わらずOSの動作は安定しており、開発者や研究者、個人使用でもとても面白く触りがいのあるディストリビューションとなっています。
CentOS等と共にUbuntuはベンチャー企業など比較的新しめの会社で出会う事が多く勉強しておいて損はないと思います。
初心者であればとりあえずUbuntuから触って勉強してみるのがおすすめです。
まとめ
ご紹介した以外にもたくさんのディストリビューションが存在しています。
今回は初心者が知っておいた方が良い主要なディストリビューションをご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
同じLinuxですがそれぞれのディストリビューションに個性がありますので、実際に触れてみて自分に合ったものを探してみて下さい。
初心者はまずCentOS(RedHat系)とUbuntu(Debian系)を勉強して知っておけば、他のディストリビューションに出会っても応用が利くと思います。