企画職でもプログラマー的な思考力が必要

脳の形の基盤

企画職やプランナーと呼ばれる仕事をする人たちはイベントなどの内容を考えたりする仕事です。

一般企業であれば売上アップのためのキャンペーンや新商品の考案などです。

ゲーム会社でもゲーム内の仕様や設定、イベント、キャンペーンなどを考えたりします。

一見企画職はただアイデアを出せばいいように思われがちですが、実際のところはプログラマー的な思考力もかなり重要です。

企画職は闇雲にアイデアを出すだけではダメという話をしていこうと思います。

ダメな企画の例

手に持った不機嫌な顔のマーク

仕様

ガストが企画した「イベント期間中に全店舗で飲食した先着50名に食事券20万円プレゼント」というイベントがありました。

プログラマーでない人もプログラマー的な思考力があればすぐにこの企画の問題点に気付くことができます。

  • イベント期間は4月22日から5月15日までの24日間
  • 全国にガストは1361か所

24日間で全国1361か所を回らなければならないことになります。

  • 一日あたり約57店舗(1361 ÷ 24)
  • 24時間睡眠なしで1時間あたり約2.4店舗

超人でない限り実質無理な企画ということがすぐに分かると思います。

企画は「面白そうじゃね?」というその場の思い付きだけで考えてはいけません。

その企画を行った場合どの程度の達成率になるのか等、付随する予測値も一緒に計算したりして脳内シミュレーションするのが普通です。

セキュリティ

7payのシステムでパスワードを忘れた時の仕様が「お客様優先」になっていました。

登録したメールアドレスではなく任意のメールアドレスにパスワードを再送できるという仕様です。

もちろん「お客様優先」は大切ですが、表面的な部分だけ優先して財産を保護できないシステムでは本当の意味での「お客様優先」になっていません。

企画職はセキュリティ的な詳細は無理でも要点は理解しておくべきです。

さらに7payではユーザ登録を繰り返すとおにぎりが無限にもらえるという穴もありました。

また、別な例ではPayPayの「PayPay残高を送り合うキャンペーン」という企画があります。

PayPayを送り合った両ユーザーが抽選で5000円相当のPayPayを獲得できるというものです。

このイベントでは「同額のPayPayを送り返す」と言いながらPayPayを持ち逃げする行為が問題になっています。

企画はそのイベントやキャンペーンを悪用できないかの観点で検証するということも絶対に必要です。

まとめ

バグを虫眼鏡で見つけている様子

よく企画で「プログラム的なことは分からない」と言い訳する人がいます。

しかし問題になっているのは実際のシステムのコードを読んだり書いたりする能力ではなく、物事を分解して整理して理解する能力です。

企画に限らずどのような仕事でも重要になってくる能力だと思います。

企画はアイデアを出す以外に、どういう手順で実現するのか、どのような結果が予想されるのか、抜けや穴はないのか、実際の結果はどうだったのか、という検証が必要になります。

企画を目指している人でもプログラマー的な思考力を身につけておくことは大いに意味があります。

有利になるような人生の選択をする上でも必要な能力なのかもしれません。

物事の流れを分解して整理して理解するプログラマー的な思考を意識して、仕事をしていきましょう。