【乗り物】最近の自動車に思うこと

両手から出したバリアで包まれている自動車

交通事故の大きなニュースが最近ありました。

車が暴走して10人を跳ねて重軽傷を負わせ、その内2人の方が亡くなっています。

最近の自動車に思うことがありますので書いていこうと思います。

最近の車はコンピュータ制御の塊

事故の原因究明を困難にしているものの一つにコンピュータ制御があります。

恐ろしいほどの数のセンサーの信号を解析して、コンピュータが総合的に判断して車の挙動を決めています。

そのコンピュータの制御にバグは許されないのですが、プログラマーなどのエンジニアなら経験上バグがないということは有り得ないと分かっています。

ですので車の場合はあらゆる条件でテスト走行を何年も繰り返してから実際に世に出ることになります。

それでも実際に車が使用される条件は様々ですし、部品も経年劣化していきますのでセンサーの入力値の信頼性が低下していきますし、その値を元にした出力制御もずれていくと思われます。

常にエンジンチェックで検証してフェイルセーフで制御して、問題があればセーフモードでの運用になるように作られていると思いますが、それでも原因不明の車の不調というものは存在します。

自分が乗っている時に症状が出てディーラーに持ち込むと症状がでないのでディーラーでは対応できないというアレです。

しかし経験豊富な技術者のいる町の車の整備屋さんに持ち込むと「あーあの車種のアノ症状ね。経験上アレを変えると直るよ」と言われてすぐに対応してもらえることもあります。

長く車に乗っている方なら誰しも経験していると思います。

最近の車は運転者の操作ログを残しているものも多いと思いますが、そのログがあったとしても事故の原因がコンピュータ制御の想定外の不具合によるものなのか、運転者の操作ミスによるものなのか判断できないと思います。

コンピュータ制御によってアクセル開度の制御やブレーキ制御、ハンドル操作の制御が行われるようになって燃費向上や安全性向上に貢献しているのは事実です。

しかし一方で何か不具合らしき現象が起きた時の原因究明を困難なものにしているのも事実です。

車にパワステが無い時代は男でも筋力が無いヒョロガリだとカーブでハンドルが回せないので危なくて運転できませんでした。

今の時代の車は筋力が無くても運転技術が低くても運転しやすいように出来ているので、幅広い層のユーザが利便性を享受しています。

利便性向上の代償として仕組みが複雑化して原因究明が困難になってきています。

技術の向上には事故の原因究明は欠かせませんので、近い将来は航空機と同じようにブラックボックス搭載が義務化されるのではないかと思います。

AIによる自動運転は完璧か?

利便性や事故を起こさないようにするため自動車各社AIによる自動運転の研究が盛んに行われています。

AIによる画像解析の学習によって日々精度が高まっていってるかと思いますが、しかしAIも完璧ではないと分かってきているようです。

事故を起こしにくくするために感度を上げると、例えば桜の花びらが舞っていて車に向かってくる時にAIが急ブレーキをかけてばっかりで快適な自動運転にならないという事態になってしまいます。

今度は感度を鈍くすると人や小動物が道路を横切ろうとしている時に減速せずに普通にぶつかってしまったり、反応が遅くてブレーキが間に合わなかったりという事態になります。

人間的ないい感じの感度にするように努力しているようですが、私が個人的に思うに感度を人間に近づけると最終的に正常な状態で運転している人間だけで計算した事故率と同じになるような気がしています。

人間のように眠くなったり体調が悪かったり集中力が途切れたりしないだけメリットがあるのかもしれませんが、AIによる自動運転は交通ルールが変わったりした場合ちゃんと対応できるのかなどの心配もあります。

AIによる自動運転の技術を応用して運転者をアシストすれば、事故の件数自体は減らせると思いますが完全自動化はかなり難しいのではないかと思っています。

完全自動化された車が優先度の同じ十字路で4台同時に各方向から来た場合、車に優先度がないとデッドロックしてしまいます。

また自動運転車が優先の道から来て、自動運転じゃない車が優先ではない道から来て優先の車を無視して突っ込んて来た場合、事故が起きる確率が高そうです。

中央線が削れて消えていたり、時間帯によってずれる道の走行も不安です。

また雪国のホワイトアウトした道での自動運転は多分不可能でしょう。

全ての車が自動運転になりお互い相互に通信して情報の連携をできるようになれば事故がほぼ0に近づくと思いますが、それまではあくまで運転手のアシスト機能として自動運転の技術を高めていくのが良いと思います。

助手席にもう一人運転を見ている人がいて見落としに気づかせてくれたり、運転者が意識を失った時などいざという時にすぐに車を安全な路肩などに寄せて停車し事故を回避する等、そういう使われ方を何十年も経てから完全自動化の時代が来る気がします。

まとめ

車の安全技術がいくら進歩しようが事故を起こす起こさないは最終的に運転者の心がけ次第で防げるものがたくさんあると思います。

自分で自分の状態を判断するのは難しいと思いますので、他人の忠告に耳を傾ける謙虚さも大切です。

事故を起こしてから後悔しても遅いのが自動車事故です。

自動車の安全技術の向上や運転者をアシストする機能の向上で、運転する能力がある程度衰えても運転がしやすい車が多くなっています。

昔のパワステのないMT車で免許更新時にコースを運転してもらって、「ああ、いま車運転できているのは車のアシストによる錯覚だった。運転辞めよう」と運転者自らに思わせるのが一番効果的だと思いますが、そのような事が行われる可能性は低いでしょう。

現在の技術ではカバーしきれない部分が多くあるのが車の運転です。

車の運転に関してはいくら注意してもしすぎることはないの精神が大切だと思います。